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山歩きの効用・健康効果・健康の目的
平成19年10月13日更新
  山歩きは何故,、頭と体によいのか ここでは山歩きの効用、山歩きの健康効果、山歩きの魅力と科学的効用、そして運動の効果や歩く効果で健康を維持増進し、ひいては健康な身体で何をなすべきかなど、健康の目的について考えてみました。

  私は山歩きで得た健康に満足するだけでなく、その健康を生かして何をなすべきかが最も大切な事だと思うのです。健康は目的ではなく、手段や条件に過ぎません。健康の最終目的は自分の人生を充実させるための条件であり、ひいては家族のため、世のため、人のため、何をなすべきか、だと思うのですが?

  ただ健康だけで満足するのはもったいないのです。健康は何事かをするための手段や条件なのです。
 人は頭と体を適度に使わないと「脳のシワが減り、その分顔のシワが増える」そうですよ!

「歩けば治る心の病、ほかの病はなお治る。」
そんな呼びかけも聞こえます。

山歩きとその効用について考えてみました。
五百円札の写真撮影地 雁が腹摺山(2003年11月)
山歩きで森林浴の健康効果(おもいッきりテレビ 2006年4月19日水曜日放送分より)

医学界では今「森林浴」の医療への応用が研究されています。特にひと工夫することで効果は更に高まります。
森林浴による3大健康効果
1 ストレスを低下させて血圧を安定・だるさを緩和。
2 がんに対する免疫力を強化する。
3 疲れた脳を回復させる。
                 詳しくはおもいッきりテレビHP
健康効果 効果的ひと工夫とは
視聴覚等 味覚
・血圧を安定 ・緑の木々を見る。
樹木が原料のニッキあめやメール シロップなどを食べる。
・ストレスを低下 ・満開の花々を見る。
・がんに対する免疫力を強化する ・公園や庭の松の香りでも充分効果がある。更に松の木から半径3m以内でゆっくり鼻呼吸をする。午前中が効果大。松の木のそばで5分間呼吸をした後かんきつ類の香りをかいでから再び深呼吸をするとより効果的。
・だるさを緩和 ・満開の花々を見る。
 
・疲れた脳を回復させる ・滝のある森林もしくは大きな噴水のある公園で20秒間目を閉じて水の音を聞くと良い。   
   しかも ひと工夫することで近所の公園や自宅でも応用できる。

山小屋
山歩きは何故、頭とからだによいのか?(山歩きの科学的効用)

1 運動不足でどうなるか
 一口でいうと、体力が低下し、からだが退化する。
 (1)筋肉が細くなり、力が弱くなる
 (2)老化が早まる
 (3)スリムでなくなる
運動の効果
 運動を継続的にやっている者と、そうでない者を比較すると、死亡率は一部の年齢層(49歳以下)を除いて、5倍以上の差がありました。「EC・ハモンド゙」大切なのは、かつてどんな運動をしていたかではなく、現在どんな運動をしているかで、若いとき激しい運動をしても中年になって止めては意味がないそうです。

  ある正月のテレビ番組で、有名なセリーグとパリーグの選手OBが試合をやっていました。驚いたことに、華やかだった現役時代の面影はどこへやら、太りすぎのおじさんが多く、見るにしのびない緩慢な動きの光景を目にし、「昔の光今いずこ」という感じでした。
  もちろん個人差もありましたが、ここで思ったことは、
昔何をやっていたかでなく、今何ができるかを教えてくれた有り難い番組でした。   
 
3歩く効果
 (1)内蔵が強くなる(特に心臓)
 (2)スタイルがよくなる
 (3)体力がつく
 (4)足腰の筋肉が強くなる
 (5)脳を活性化する
  ・記憶力を高める
  ・思考力を高める
  ・ひらめき
  ・集中力を高める
 (6)ボケ防止になる
 
 
歩き方による消費カロリー
歩くスピード感 時速(km) 消費カロリー 
 (分)
1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 6時間
ぶらぶら歩き 3.0 2.7 162 324 486 648 810 972
ゆるやか歩き 3.6 3.0 180 360 540 720 900 1080
普通の歩き 4.5 3.3 198 396 594 792 990 1188
速  足 5.4 4.2 252 504 756 1008 1260 1512
全力の歩き 7.2 7.9 474 948 1422 1896 2370 2844
山歩き 登り 2.0 10.0 600 1200 1800 2400 3000 3600
山歩き 下り 3.0 7.0 420 840 1260 1690 2100 2520
                                                単位:kcal
                              
5歩き方による心拍数の目安 (特に登山時、要チェック)
年代別 最大心拍数 70%目安 60%目安   最大心拍数を 100%とした場合
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
200
190
180
170
160
140
130
125
120
110
120
115
110
100
95
 60〜70%を目安に一定期間続ける
 ことが理想的。
登山(山歩き)の効用と魅力
1 登山は体力を養う
2 登山は志を大きくする
3 登山は冒険の気性を養う
4 登山は忍耐力を養う
5 登山は人の思慮を周密にする
6 登山は自然と親しむ
7 登山は同心協力を養う
8 登山は学術研究に資す
9 登山は自我を脱す
                              
これが健康登山であり、山歩きの健康効果

1 森林浴
  低山の樹林帯の中を歩けば、フィトンチッドを全身に浴びて森林浴になります。
  植物は周囲のバクテリアから自分を守るため、自助作用として揮発性の植物体を発散させます。これがフィトンチッド効果と呼ばれる樹木成長の秘訣であることがわかりました。人間がこの精気を吸うと身体によいことが科学的に証明されています。
 
フィトンとは植物、チッドとは殺すという意味のロシア語で、フィトンチッドとは、植物が周囲のバクテリアを殺すという意味です。その効果が森の健康法としての「森林浴」なのです。
  フィトンチッドの作用として1精神安定作用(ストレス解消) 2除菌作用 3消臭・脱臭作用などがあり、これを三大作用と呼ぶ人もいます。(フィトンチッドを発見したのは、旧ソ連のトーキン博士)

2 日光浴

  高山の森林限界の上では、スモッグや排気ガスの層を通らない、純粋の紫外線を浴びての日光浴がで きます。

3 ダイエット効果と腰痛肩こり防止
 ・山は旨い空気をフルに吸って歩くので、格好のエアロビックス運動になります。当然、血液の循環も良くなりますので、肩や腰のこりからも縁遠くなります。
 ・歩くという、無駄のない運動を長時間続けることで、体内の皮下脂肪が程良く燃えてくれる為、でっぱった腹が、いつのまにか少しづつへこみ始め、更に歳をとっても、自分なりのペースで楽しめる、というのも大きな魅力です。

4 健康登山のキーワード

  キーワードは、ゆとりであり、ゆとりは次の3つが大事です。
 ・時間のゆとり→山行計画は、ガイドブックのコースタイムよりも2〜5割増しで。
 ・体力のゆとり→自分の体力に合ったペースで歩く、荷物は軽めに。
 ・気持のゆとり→時間と体力のゆとりがあれば、自然に気持ちにもゆとりが生まれる。
 
山歩きならではのウオッチング(観察)いろいろ
              (ある洋酒メーカーのアウトドァハンドブックより)
  山を歩けば、これだけのウォッチングができます。
1 植物ウォッチング
2 バードウォッチング
3 アニマルウォッチング(山に住む動物)
4 昆虫ウォッチング
5 スターウォチイング(星座・気象・自然を含めて)

参考
・小島鳥水著「日本山水論」
・山と渓谷
・岩崎輝雄・岩崎恵美子著「ヤーコン」
3コウ産業とは

 1 旅
産業

 2 健
産業
 
 3 学
産業(勉強)

の三つのこう、を表す。

白毛門
( 2001.06)
    現在、活況を呈している産業があります。それは 1旅行産業 2健康産業 3学校産業(習い事が主体)であります。
  即ち、この3つをとって3コウ産業といわれ、その内容は、次のとおりです。
 
1 旅行産業は、ドル安の影響もあり、海外旅行、特に行先はアメリカ・カナダ ・オーストラリア等ですが、最近は、国内外でのトレッキングツアーなど、特 殊な企画に人気が集まっています。
 
2 健康産業は、スポーツ・エアロビクス等、ダイエット志向に加えて、最近中高年を主体とした山歩きが仲間入りしました。しかし、山歩きは必ずしも中高年だけでなく、マスコミの影響もあり、若者が戻っており、にわかに活況を呈しています。
 
3 学校産業は、主に語学(英語・中国語・韓国語等)とパソコンの操作法の修得、そして山歩き教室、料理教室等がブームを呼んでいます。
 
これらを総合すると、山歩きは、これらのニーズを全部兼ね備えた、最先端の活動であると思われます。

 「日経流通新聞」(1995年9月X日)の1面トップ記事及び「山と渓谷1995年11月号」より

記事は古くても、上記3コウ産業の考え方は現代に通じる立派な内容だと思います。 (2006年12月10日)


健康ブームの落とし穴
 景気のいい健康産業の背景に高齢化社会の出現があり、そのブームの内容には落とし穴があります。
 (1)健康の為の”万能薬”はない。
 
 (2)健康だけを目的として健康がすべてだと考えること。
 
  数ある中で、健康を貫く考え方の要約。
  ア 規則的な生活
  イ バランスのとれた食べ物
  ウ 適切な運動 
  エ くよくよしない
  オ 煙草を吸わない
  カ アルコールを慎む
  
※健康ブームの中身をのぞいて残念なのは、健康を得て何をするのかといった哲学がないことです。
  考えてみれば、健康はあくまで何かをするための手段、条件に過ぎません。健康なからだを使って何をするかが本当は大切なのです。ただ、健康であることに満足し、それにひたり、幸せを感じているだけではもったいないのです。             
登山の大衆化と楽しみ方
 今や戦後五十数年。登山の大衆化、多様化、国際化の時代に突入しています。
 空前ともいえる第二次登山ブームの勢いは、衰えることを知りません。いまや登山人口は七百八十万人に達するといわれている。
 なかでも目覚ましいのが、中高年登山者の増加と活躍であります。また中高年の女性の活躍も目を見張るものがあります。日本の登山は、「より高く、より困難を目指し」てきたアルピニストのわくを越えて、もっと広く、そして手軽なアウトドアライフの一つとして考えられています。

 個人の余暇の増加、経済的安定、そして何より健康指向がその背景にあるのでしょう。
 深田久弥の記念碑には「読んで、歩いて、書いた」と刻まれているそうです。
 山は歩くだけでなく、関係の書物を事前によく読み、そして歩いて確認し、その結果を書きとどめることにより、山の楽しさは倍加するものと思われます。
参考文献 :   藤原 健固 著 「歩きの科学」  講談社
  小倉 厚著 「若さの秘訣は山歩き」 角川書店

 
    
山歩きは痴ほうやパーキンソン病にも有効!
                                     2003年6月24日「読売新聞夕刊」より

痴ほう・バーキンソン病予防はカルシウムと運動(山歩き)が有効


 海藻や牛乳などカルシウムが豊富な食事や日々の運動が、バーキンソン病や痴ほう症の治療や予防に役立つことを筑波大医学系の須藤伝悦博士らが動物実験で初めて明らかにしました。生活習慣の大切さが改めて注目されそうです。

 手足のふるえや筋肉硬直などが特徴のバーキンソン病や、痴ほう症のうちでバーキンソン病に似たDLB型、高血圧症、てんかん症などは、脳内の情報伝達に使われる物質の一種ドーパミンが減ってしまうことがその一因になっています。

筑波大博士ら実験

 須藤博士らはネズミを使った実験で、餌として摂取したカルシウムが、脳内のドーパミン合成を実際に促進する仕組みを突き止めました。また毎日の運動で、体内のカルシウム代謝が活発化し、骨の中のカルシウムが血流を通じて脳に供給され、ドーパミンが増えることも分かりました。

 海外では近年、山歩きや散歩、ストレッチなどの運動を一ヶ月程度続けると、バーキンソン病や痴ほう症が改善したとする報告が増えています。また約4300人を追跡調査した海外の研究では、運動習慣がある人は、ない人に比べて痴ほう症になる割合が半分程度だったそうです。
                      
2006年3月1日から
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